群馬・長野県境の、四阿山と根子岳へ
浅間山を登ってから三日。群馬にいるのに、山に一つしか行かないのはもったいない!ってことで、四阿へ。
この四阿山、嬬恋村までいかないと姿を見ることができず、ほかの山と連なっており確認しにくいこともあり、浅間山ほど身近であったわけではない。しかし、その名前には昔からなじみがあり、百名山に入っていて、なにより自宅から車で一時間…。これはいくしかない!
今回は、単独行
マイカーで登山口・菅平牧場へ
朝4時頃、自宅を出発。
5時過ぎには、登山口のある菅平牧場へ。
心配していた天気も、気づけばきれいな朝焼けを見せてくれていた。
ここで、親に、無事登山口到着の連絡をいれ、登山届を書き、出発。
牛に眺められながら、アスファルトの道を進む。牛にしたら、わざわざ山に入っていく人間を理解できないのかもしれないなぁ…。
牧場沿いの道
登山道に入ってすぐは、気持ち良い森林浴…(ブレた…)
森の中の道をしばらく行くと、白樺が多くなっていき、シラカバ林に。そして、だんだんと高い木がなくなっていき、稜線にでる。左側には、その昔火山だった根子岳が、独特の景観を作っている。振り返ると、菅平高原と山々。本当であれば北アルプスものぞめるはずなのだが、この日はみえなかった。高原の風が、樹林帯の坂でかいた汗に気持ちいい。
シラカバの上から、遠くが見えた
稜線 いくつも小ピークがあり、その度に、ふりかえってたたずんでしまう
根子岳 独特の風景
稜線のあとは、四阿山のピークを上に、再び林の中へ。
道中のリンドウ咲き乱れる笹原
根子岳への分岐を通過し、約10分で四阿山山頂に到着。スタート地点でも見かけた、登山客が数人。自分と同じような、男性のソロハイカーばかりだった。男ひとりでぶらりと休日散歩。そんなときには、静かで開放感を満喫できる、ぴったりの山かもしれない。
山頂の標 日本武尊が「吾(我)が妻よ」と妻を恋しくうたったという説もある。吾妻郡の嬬恋村なので、それも有力な説だと思う。ロマンチックな場所でしょ?
浅間山方面 まるでうさぎの形のような田代湖が光る。
この日は大気中の水分が多くあまりはっきりしない展望。
これから行く、根子岳
四阿山頂から分岐に戻り、根子岳へ。根子岳に登り始める地点まで四阿山山腹を一気に下りなければならない。しかしこの道は木の根が一面張り出しており、岩が露出し、おまけに先日の雨で、どこに足をついても滑りそう…という、きつい道だった。四阿山頂と根子岳山頂で二回出会ったハイカーは、この道で二回も転んだという。
つるつる、てかてか、ぐちょぐちょ、きらきら
やっとのことでおりきった。そこからが、今回の一番のメインのポイントといってもよい、根子岳への一面笹原の、超開放みち。
笹原を吹き抜ける風が心地よい…
登り切って、いくつかの岩の先に、根子岳の山頂がある。広い山頂に、小さなお社が一つ。あいにく雲がかかってきていた。雲の切れ間の光がやけに明るく感じられる。
山頂でリンゴをかじる。だって、うちにあったんだもの。
やはり北アルプスも、妙高・火打も、ほとんどみえなかった。それでも少し冷たい風に吹かれながら、頂を味わうことができた。晴れていなくてもよかった。晴れていたらそれはそれでよかった。曇りをあまり残念に思わなかった。
あとは、ここからは、スタート地点へまっすぐ下るだけ。
下り始めて、中学生の一団とすれ違った。みんないろんなことを言いながら、女子でまとまって話して叫んで、愚痴を言いながら、男子でまとまって大声で楽しそうにしながら、中学生らしい挨拶をしてくれながら、登って行った。
その後、園児さんたちの一団も登って行った。小さな体で、それでも登ることに嫌そうな顔もせず、もくもくと、かわいい挨拶をしてくれながら登って行った。
彼らのこの登山が、友だちみんなと一緒に登った、楽しい楽しい思い出になったらいいなと、心の底から思った。
そして、晴れてきた。きっとみんな最高の山頂を堪能したでしょう。
僕が再びシラカバ林に入ったころ、空はすっかり青空になっていた。シラカバの合間からさす陽光が気持ちよく光る。いい散歩。
何度も立ち止まってしまう。時間かかった。
振り返れば根子岳。奥に、四阿山。
そして、菅平牧場に到着。青空のもとの下山というのも、またいい。登山靴を脱ぐのがとても気持ちよく感じる。牧場の牛乳も飲みました。
四阿山、特にこれといってきつい場面はないが、じわじわと疲労がたまる。それがまた心地よい。とても歩きやすく、いいお山だった。
自宅と菅平牧場の往復は、自分で車を運転してのドライブ。峠道を一人でドライブするのもまた楽しみの一つだった。(親は心配していたが…)
実家帰省山行、第二弾!
今回は最初から最後まで一人での行程。一人で山に行くと、気軽さと危うさと開放感と一抹の寂しさがいつも胸にくる。これが、自由であることの感覚に近いのかな。一人でしか感じられないこともある。
また、群馬、長野、新潟あたりの山に、まるでいつもの散歩のように、たくさん行きたいな。